幾網にも紡いだ途切れた邂逅線は
瞳に見えないどこかで繋がっているのか、途切れているのか
多段に折り重なる地平も海線も
幾何学の未来を打ち明けはせず、ただ黙して空と融け合っている
鴎のしらせたのは幕引きを急がれよと逆説を描く放物線
諦念の泥のなかに薄れた希望の卵を抱き
孵化の予兆なくとも母鳥は尚暖め続ける
その先に
待っているのは待つことそのものだろうか
喘いで沈む魚ですら、運命とその母胎のつめたさを知っている
何故か
うまれたから
暖められ
待っていたから
直線であり、曲線であり、放物線である我らが化身は
待ち望むことで生命を消耗する
削り取られた邂逅を恨みはしない
ただ、愛しいと
草を食み藻を食み
肉を食み
幾億の運命を消費しながら
待っていた
誰も名前を持たぬのだ
だけれど解らぬ
筈はないと
薄れた希望の
徒翅を夜露に濡らしながら
見えない遠くを見るように
待っている
待って