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勢いのない2ちゃんねる

15名前はいらない [sage]

AAS

NG

幾網にも紡いだ途切れた邂逅線は
瞳に見えないどこかで繋がっているのか、途切れているのか
多段に折り重なる地平も海線も
幾何学の未来を打ち明けはせず、ただ黙して空と融け合っている
鴎のしらせたのは幕引きを急がれよと逆説を描く放物線
諦念の泥のなかに薄れた希望の卵を抱き
孵化の予兆なくとも母鳥は尚暖め続ける
その先に
待っているのは待つことそのものだろうか
喘いで沈む魚ですら、運命とその母胎のつめたさを知っている
何故か
うまれたから
暖められ
待っていたから
直線であり、曲線であり、放物線である我らが化身は
待ち望むことで生命を消耗する
削り取られた邂逅を恨みはしない
ただ、愛しいと
草を食み藻を食み
肉を食み
幾億の運命を消費しながら
待っていた
誰も名前を持たぬのだ
だけれど解らぬ
筈はないと
薄れた希望の
徒翅を夜露に濡らしながら
見えない遠くを見るように
待っている
待って
待って
その先にあるのは
或いは待つことそのものだろうか
編まれた空が融けてゆく
世界の混ざり終わるそのときも
見えない先を見つめている
運命だとでもいうように
終わりゆく内腑の鼓動
血肉の聲 自我とは異質の生命
死に征く旋を聴きながら
宙を盛り付ける
包む糸は繭となり
祈りは孵化を
待ちながら睡む
誕生への絶望そして
透明に絡みつく地平を
生みつけたのは 誰か
左様な中でも時は流れる
待つための断罪を
黙して受けるその佇まいを
何と呼ぼうか 何と云あうか
誰も名前など持たぬのに
邂逅にその手で触れさえせずに
ただ時を洗う
だけだというのに

soup

2015/08/04(火)23:45:54.21(B5CgmuYU.net)

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