今朝思いついた詩
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889茄子単発特別篇W(詩に至る病に書き込めなかったぜよ) [sage]

AAS

NG

「幻と踊る」

1;
実存は存在の余波に過ぎない。
そんな幻想と踊っている。
そんな男だ。僕は。
石の上にも3年、幻もいつか形になる…
なんてことは、正直言って、ないんだな。
今日もまた、独特な組み合わせの欠損と過剰を
まるでアイデンティティみたいに引っ張って歩いていく。
概ね、まぁそんな男なのです。僕は。

2;
無能な男が一人、チッとも咲いちゃいない桜の根元に座って
缶コーヒーか何かを呑んでいる。あるいはまるで、涙を呑んでいる。
人生という苦行にくれてやる束の間の休戦。
それが、このケバケバしい空洞のような樹木に相応しい
ただ一つの配役。そう、人生とは悲劇のようなものだ!
(一度目は悲劇として、二度目は…二度目などありはしない。)
桜は散りぎわの美学。
なるほど、あの男のような(即ち、俺のような)
場違い者にも美学はある。
正しさなどはもはや、この男の頭上には点灯し得ない。
問題は、美学である。美学が問題である。

(続く)

2017/04/08(土)03:44:54.48(e/aRwz77.net)


890茄子、春の一品 [sage]

AAS

NG

(続き)

3;
「俺は河童と話をしたことがある。

嘘ではない。

皿からこぼれる水が、
苔だか藻だか分からない髪のようなモノを
ジットりと、湿らせ続けた。

だから、俺は河童と話したことがある。
なんなら、踊ったことだってある。」
そう言って、フランクな笑みを湛える男は、
今でこそ合衆国はシカゴで悠々自適の生活を送っているが
かつて、僕らの国で生きる道を見失った男だ。
電気化学の研究の果てに行きついたのは
自由という名で装飾された単純な貧困であった。
0から富を生み出すことなど、男にはできない。
それでも、米を頬張り、パンを貪って生きた。
初めのうちは一丁前に日本人らしく恥なども感じたが、
イズミヤでレジを打ち、内職漬けの生活も煮詰まると
いよいよもって、幻なども見えるようになった。
朝刊の配達を終えた道すがら
点滅する信号の横断歩道を
ひょろ長い黒い影がユラユラと続いていく。
スーパーカブを止めて目を凝らした男には、
それが河童にしか見えなかった。
あれは、どう見ても河童であった。
(そして、生ぬるい風に煽られた一面見出しには
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2017/04/08(土)03:45:43.40(e/aRwz77.net)


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