都筑道夫・4
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468甘辛亭 [sage]

AAS

NG

>>430
写真さま。

ご無沙汰しています。
五幌さんもお忙しいようで(いや何かに浮気しているだけかもしれませんがw)、
こちらでは相変わらずの「日常」が展開していますね。
汚物の対応は有志にまかせて・・・
どうせ時間を割くなら向こうに専念するのがベターかとも思うのですが、
とりあえず『未来警察殺人課』を読み返しているので、その意見交換の場として、
こちらを使うことにします。

2014/04/10(木)07:35:25.26(m8RPSL2C.net)


470甘辛亭 [sage]

AAS

NG

「空中庭園」の話をしましょうか。
シリーズの3話めですね。
「人間狩り」と「死霊剥製師」を飛ばすのは、出来が悪いからではなく、むしろ逆。
このへんの秀作は、貴方とあまり意見が対立しそうもなく・・・それではツマラナイw

>>430で写真さんが、「意外性がありません」、プロットが「凝っているのかといえばそうでもない」、
「ミステリとしては少々物足りないですね」と評した「空中庭園」を、私はけっこう面白く読んだんですよ。
いやたしかに、出来は落ちるんですけどねwww

じゃあなんで面白かったのか? そのへんのことを次回に記しましょう。

2014/04/10(木)08:00:51.25(m8RPSL2C.net)


474甘辛亭 [sage]

AAS

NG

470で私は、「人間狩り」と「死霊剥製師」を、秀作としました。
ぶっちゃけ、この2編がシリーズの一、二を争うんじゃないかとすら思います。
少なくとも、うん十年まえ、『未来警察殺人課』を読んだ無邪気な中学生(私のことですw)はそう思いました。

今回の再読では、ストーリーの細部はほぼ失念していたので・・・
さながら初読のように、まず最初の2編で都筑さんにノックアウトされました。
セカンド・アースで繰り広げられる、鮮烈なイメージの洪水。
鼻づらをつかんで引きずりまわされる快感――まさに活字のジェット・コースター。
そして、アクロバティックな急降下の衝撃。


ただ、トシのせいか・・・ちょっとだけ、疲れましたw
そしてそのまま「空中庭園」に突入して・・・
オヤッ、と思ったのですね。

2014/04/10(木)08:46:27.04(m8RPSL2C.net)


475甘辛亭 [sage]

AAS

NG

なんとまあ、都筑さんにしてはベタな話だ。

じつはこの「空中庭園」は、前の2作と違って、読みはじめてまもなく、
事件の真相もクライマックスも、ほぼ思い出しました。
いちおう、「藁の中から針を探す」タイプのお話なんですが・・・
ミステリ慣れした読者が最初に考えそうな“捻り”が、そのまま真相なんですね。
そして・・・いろいろと苦しい。
どう言いわけしても、アレを“特定の個人に反応する殺人機械”というのは無理があるでしょう。

しかし。
今回の読みなおしで私が感じたのは、「鼻づらをつかんで引きずりまわされる快感」とはまったく別の、
いわば「なるようになる、」型芝居に覚える快感でした。
それはたとえば、ごく最近読んだところだと、池波正太郎の「夜鷹殺し」なんかに近い。

おやおや、したらばの都筑道夫スレにリンクしちゃいましたねw
あと1回、「空中庭園」の魅力をもう少し具体的に振り返って、終わることにしましょう。

2014/04/10(木)09:26:31.32(m8RPSL2C.net)


476甘辛亭 [sage]

AAS

NG

短編小説が、読後も心にきざまれるファクターには、いろいろあると思います。
ミステリに関して云えば、それはトリックよる驚きかもしれませんし、論理のアクロバットかもしれません。
もう少し読みのはばを広げれば、状況設定だったり、人物だったり、場面だったり、ということになるでしょう。
要は、なにか一点、突き抜けたインパクトがあれば短編は成立する。

うん十年ぶりの再読にもかかわらず、私が「空中庭園」の真相とともにクライマックスをたちどころに想起できたのは、
それが鮮やかな“絵”だからなんです。
ミステリ的にはベタなぶん、ストーリーはかくあるべきクライマックスへ向けて、すべてが収斂していきます。
別な場所で、私は都筑作品との対比で池波正太郎の「夜鷹殺し」を取りあげ、ミステリ的に何の工夫もないとクサしたうえでw
でもその正面押しの力強さを買いました。
同様に、整合性に難のある「空中庭園」の、思わず“難”を忘れさせるだけのパワーを、やはり評価しておきたいのです。

あ、これがシリーズ第1話とかだったら駄目ですよw
連作のなかの1編として、楽しめたということです。

2014/04/10(木)10:29:32.68(m8RPSL2C.net)


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