小布施の「北斎館」、大規模な増改築検討 06月09日(土)
(写真)増改築が検討されている北斎館
上高井郡小布施町の中心部にある一般財団法人「北斎館」が、施設の増改築を検討している。
同館は、江戸時代の浮世絵師葛飾北斎(1760〜1849年)の肉筆画などを展示しており、
年間約120万人が訪れる同町の中でも、中核的な観光施設。大規模な増改築は1991年以
来となる。老朽化した施設を更新するほか、展示や収蔵のスペースを増やす。
同館は76(昭和51)年に開館。晩年に小布施に滞在した北斎の肉筆画や版画を展示して
おり、昨年度は約17万8千人が訪れた。唐沢彦三理事長(前小布施町長)によると、今月中
に理事による検討会を発足させ、早ければ来年度にも着工するという。
同館は鉄筋コンクリート造りの2階建てで、延べ床面積は約1390平方メートル。1階に肉
筆画、版画の展示室など、2階に休憩室などがある。
唐沢理事長によると、現段階の構想では、1階に企画展の専用スペースを新設。手狭になって
いる作品の保管庫や、北斎の生涯を題材にした映像を放送している「映像室」も広くし、北斎に
関する講演会や研究会の会場として活用する。合計で千平方メートルほど広くなる見込みだ。
2階部分は、同館に併設されている「北斎研究所」の専用スペースとして衣替えし、北斎や浮
世絵の研究で訪れる学生も使えるようにする。子ども向けの版画教室の会場としても活用したい
という。
北斎館は、最盛期には年間約40万人が来館していたが、景気の影響などで近年は減少傾向。
唐沢理事長は「より快適な環境で作品を見られるようにしたい」としている。
信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20120609/KT120608SJI090002000.html