【信州小布施】北斎館2【前館長丸チョン】
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293名無しさん@お宝いっぱい。 [sage]

AAS

NG

>国際北斎会議など住民参加できるイベント


小布施北斎の怪 【その122】

いろいろ横道に逸れているうちに、棚からボロ冊子が落ちてきた。
落ちてきた冊子の表紙には「第三回国際北斎会議報告書」。
2億円かけたという会議には、落書き幟と手も足も出ない紅白ダルマしか残っていないと思ったら、
「きちんと」報告書が残っていたではないか。
166ページで厚さ1センチもないA4版冊子。
第一回・第二回の国際北斎会議の成果である"Hokusai Paintings selected essays" "Hokusai and his age"と比べると、あまりに体裁がボロいので、すっかり忘れていたというところか。
忘れても問題がないところで、小布施町でも忘れられているのだろう。
中身はすべてモノクロ安印刷で、カラー図版はない。
中身も、ある研究者は英文、ある研究者は日本語と、表示言語も統一されていない。
どうやら会議の時に配られたレジュメ(ファイル仕立)を冊子化したもののようだ。
紙もまた、ペラペラの安っぽいコピー用紙。
さらに安製本で、すでに本の背が禿げている。
その表紙は、「日本を代表するグラフィックデザイナー」という故田中一光氏(1930〜2002)によるものだそうだ。
このデザインが田中氏のご自慢作なのか代表作なのか、東京方面でも展示されている。
(参照)
http://societeperrier.com/tokyo/articles/ikko_tanaka_21/ikkotanaka_hokusai/#.UHbEipvqNBU
しかし正直いったい何なのやら、文字が無ければ、このデザインで「北斎会議」が何か連想できるものやら。
これまた小布施北斎の怪と言うべきか。
前回の第2回のポスターも、ベネチアのゴンドラ舟と美人画を合わせた変わったデザインではあったが、ずいぶんマシである。

2012/11/25(日)22:50:30.87(EtBVfm3H0.net)


294名無しさん@お宝いっぱい。 [sage]

AAS

NG

しかし「日本を代表する(以下略)」ほどの作家の作品を表紙に使うなら、冊子の厚さや体裁は、さて何とやら。
冊子には、奥付もない。
一体いつ、どこが発行したのか、謎の書物である。
少なくとも、町あげての馬鹿騒ぎの割には、小布施北斎会議の後処理が、如何にぞんざい杜撰なものだったかは、容易に察せられるであろう。
棚にあったボロ冊子には、届けて下さった方の手紙が挟み込んであって、そこに「平成十二年一月二十一日」と日付があった。
さすれば平成十二年(2000年)1月には刊行されていたものか。
小布施北斎会議が1998年4月だから、こんな冊子が出来るのに2年近くかかった、ということになる。
先掲"Hokusai Painting selected essays"は、1990年イタリアでの第1回国際北斎会議から4年後の、1994年春には第2回会議に併せて発行され書物化されていた。
会議から発行までの間4年、論文・カラー図版・参考文献・資料とも充実している。
それと比べても、厚さ半分どころか、中身体裁とも相当な「薄さ」。
セーラ氏が、その"Hokusai Paintings"を読んで「小布施に国際北斎会議を招致」だったそうだが(【その92】)、会議に2億円も使ったというのだし、せめてもう少しマシな体裁の報告書を作って欲しかったのもである。
稀なる愚米女と不適切男が旗を振ったからこんなものか。
報告書の中身については、いずれ触れることもあろうから、ここでは省略。
まずは体裁を見ていただきたい。
それだけでも、誰の目にも、イタリアでの第1回・第2回との差は、簡単に見てとれよう。 この差は一体何なのか、イタリアと小布施で、中の研究者がさして違うわけではない。
しかも小布施は会議に大金つぎこんだ。
それで結果がこうなのだら、これぞ小布施人質のなせる業、と賞賛しておくことにしたい。
なお、小布施では、"Hokusai Paintings selected essays " "Hokusai and his age" は、言うまでもなく無いことになっている。
「まちとしょテラ鼠」なる図書館にも「小布施人百賎」はあっても、上書は所蔵されてはいない。
つまり、第一回・第二回の国際北斎会議の書物は、町民ほとんど誰も見たことがないのである。
そこで、清野由美著『セーラが町にやってきた』に書かれたホラが、鵜呑み状態になっているわけだ。
たとえ見ていたとしても、"Hokusai Paintings"の、小布施の北斎が書かれた瀬木慎一氏の論文のコピーだけで、それが書物の全てと思っているに違いない。
幸せな町である。
(2012年10月12日)

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( ゜Д゜)

2012/11/25(日)22:52:04.92(EtBVfm3H0.net)


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