【信州小布施】北斎館2【前館長丸チョン】
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298名無しさん@お宝いっぱい。 [sage]

AAS

NG

小布施北斎の怪 【その127】

何かと時間がかかってようやく一段落。
この間、NHK長野放送局「イブニング信州」では小布施町の「まちじゅう図書館」も話題。
美味しいお味噌やお酒も、いい本とともに味わえば小布施の美味も一入だ。
めでたし、めでたし。
まちじゅう図書館というよりもまちじゅう貸本屋というイメージが強いけれども、そこはご愛敬。
なにやら奇怪鳥なロゴマークは、きっと貸本鳥というのだろう。
いろいろあるのも後回しで、とりあえず時節柄の話題。
都市部では、町田市立国際版画美術館http://hanga-museum.jp/で「北斎と広重 きそい合う風景」展が開催された(2012年10月6日-11月25日)。
小布施北斎館からは出品されてはいない。
あの、あの日本浮世絵博物館でさえ、21点もの冨嶽三十六景を出品したくらいだ。
理事長が交代しただけのことはあったか。
なのに「北斎と広重」展というのに、小布施北斎館からは1点も出品なし。
もっとも国際版画美術館だから版画中心の展覧会というせいもあろう。
そして「小布施北斎館は"北斎肉筆画の殿堂"だから、版画作品はどうでもいいのだ!」という意見が来そうである(【その22】http://www.hokusai-paintings.com/ObuseNoHen/Hen_22.htmlあたり参照)。
であるから、周囲は当初から無視だったのかもしれない。

2012/11/30(金)06:45:18.83(aDTOQRcE0.net)


299名無しさん@お宝いっぱい。 [sage]

AAS

NG

さて一方の大阪では、大阪市立美術館http://www.osaka-art-museum.jp/で「北斎 ー 風景・美人・奇想 ー」http://hokusai2012.jp/という大々的な北斎展が開催(10月30日〜12月9日)。
これには小布施北斎館からも、各ジャンルに1点ずつ、3点が出品されている。
風景に「渡船山水図」(旧称:春景山水図)、美人に「柳傘持美人図」、奇想に「富士越龍図」である。
これらの作品くらいしか外からは注目されないのかもしれない。
もっとも展示は前期で終了、とっとと作品は小布施に返却したようである。
きっと「渡船山水図」は、近年浅野秀剛氏監修『北斎 決定版』(2010年11月 平凡社)中にも取り上げられた作品だったせいもあろう。
同書では高杉志緒氏が「超絶なる風景画」「晩年に到達した幻想的な別世界」というセクションで、「落款に
八十八老卍筆と記され北斎数え年88歳の頃の作品と窺える。水上に突き出た崖上の桜から、雪のような花びらが
2艘の船上に降っている。遠景に浮かび下界を見下ろす青山が幻想的な雰囲気を醸し出す」、ということである。
「超絶なる幻想的な別世界」ということである。
めでたし、めでたし。
上書の影響もあろうが、大阪市立美術館としては、昭和初年、関西の富豪蔵品として入札に供されたので、
そういった意図もあって展示したのであろう。
表装も当時と替わっていない。
来歴はそう悪くはなくも、どこか図柄は、北斎の版本挿絵を反転させて、ちょっと近くのページから山付け足せや
で描かれてしまったかのようでもあるが、そこも北斎の時代とは違った、実に小布施的な幻想的別世界を大阪で
見せてくれたのである。
奇想のコーナーでは、かつていっとき「奇想のかざり」で一世を風靡をした(【その80】http://www.hokusai-paintings.com/ObuseNoHen/Kai_80.htmlあたり参照)、小布施ならではの看板「菊図」はどこへやら。
このコーナーには、最後の部屋に宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の「西瓜図」も出品されているとのこと。
その横には、戦前から知られ、戦後も鈴木重三『人間北斎』(昭和38年6月 緑園書房)にも掲載された
「都鳥に西瓜図」が、おそらく戦後の展示は初めてか、並んで展示されているという。
スイカに挟まれておちょこの扇面画があるようだが、おちょこを外し北斎館がポスターにしてあちこち貼ったり
送ったり「北斎肉筆画の殿堂」ご自慢の「西瓜と包丁図」を飾ってみれば、いかに奇怪な西瓜か判然として、
これまた一興になったろうか。
しかし残念ながら、この種の小布施奇怪想には、さすがに大阪の方々の良心が許さなかったようだ。

2012/11/30(金)06:46:29.71(aDTOQRcE0.net)


300名無しさん@お宝いっぱい。 [sage]

AAS

NG

そこで、奇想のコーナーには、まだマシな富士越龍図。
展示室を出れば、そこはショップが大繁盛。
今年中なら辰年だ、富士越龍図を来年のカレンダーにしても辰年だからまだ売れる。
複製軸も展覧会ショップで販売するぞ!
複製軸のお値段は9万9千円でございます。
「これぞ小布施北斎! 大阪に来たる!」 
大阪でも、小布施名物ぼった栗が見られるということである。
(11月24日 適当に書いて終了)
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大阪市立美術館で開催中
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本かしておクリ〜
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(`・ω・´) ノ □  ホレ 漫画クリトピア
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【その後】
小布施北斎館を訪れた人が「昨日、小布施で北斎館に行ったのだけど、今、大阪で北斎展やってるらしく、そちらへの貸し出しで、おそら主要どころの画は見れなかった(T_T) 2012/11/26 12:49:26」とツイッターでつぶやいているそうだ。
大阪の状況は上述の通りでございます。
大阪では3点しか貸し出されておりません。
しかも今は大阪市立美術館「北斎展」では小布施北斎館の作品は1点も展示されていませんが、何か?
せいぜい3点も借りておけば「北斎肉筆画の殿堂」を自称されるそちら様のお顔も立つでございましょう。
大阪で大々的な北斎展となると、世間は往々、小布施北斎館から作品が出ている、と思ってしまうのだろう。
有名どころにかこつけて、お客さんに勝手に思わせるところは、岩松院天井画やら巴錦やらへきいけんやら、お布施だけに尽きることのない宗教的商法まがいの地域色と言えようか。
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2012/11/30(金)06:47:53.91(aDTOQRcE0.net)


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