異性の親友と彼氏、彼女の違いって
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47T [sage]

AAS

NG

眠れないので投下。

最後のコンタクトから年も変わったので
15年に渡った異性の親友との記録を
備忘録代わりに書き留めておこうと思う。
何のドラマも修羅場もないダラダラな長編なので無興味の方はスルーして下さい。

@
俺の我が儘で身寄りも友達もいない土地に嫁と移り住んで6年。
頑張って働いたけど将来が見えて来ず荒んだ心で今は無き某掲示板サイトに世捨て人を騙って書き込みを続ける日々。
安物のTVドラマ的な正義感や手垢の付いた昭和な常識を振りかざしてくる連中を片っ端から爆撃するなか
ある日1通のダイレクトメッセージが届く。
また何処ぞの構ってちゃんな糞餓鬼かと思えば23歳の女性から。

『良かったらメル友になって貰えませんか?』

これが後に俺にとって唯一無二の
【異性の親友】になる彼女からの
ファーストコンタクトだった。

当時俺は37歳。
嫁と1歳の息子がいた。

2018/02/21(水)02:47:07.20(Iu7znXLt.net)


48T [sage]

AAS

NG

A
『ご随意に。来る者は拒みませんし去る者も追いません』

何となく俺が書き込みをしていた板に関することから話を始め
少しずつ互いのことをを教え合う。
都合4度ほどやり取りをしてその晩は終わった。
そのなかで彼女について判ったことは
俺の郷里と同じ県に住む翌春卒業の大学生ということだけ。
彼女の文章にまるで妙齢の女性らしさが感じられないので
こちらも紋切り型の文語で返す
不思議な会話だった。
ネカマの一夜の暇潰しかもな・・・
そう思いながら床に就く。

2018/02/21(水)03:47:55.79(Iu7znXLt.net)


49T [sage]

AAS

NG

B
ちなみに頃は秋。
こちらからの返信を最後に4日ほどが経過した晩に彼女からメール。
卒業に向けてひとり暮らしのアパートの整理を少しずつ始めていると。
彼女の大学は国公立のなかでも上位にある優秀校で
就職先は日本国内のどこに飛ばされるか分からない大組織だという。

『すべてが順調にいけばだけどね』

ネット民との会話だから深く詮索はせず彼女の問わず語りに任せる。

当時俺は隣の県に住んでいて
来春を目処に帰郷を考えていると言うと

『すれ違いになるね。私は確実に別の土地に行くことになるから』

以降
週に1度程度の細々としたやりとりが4か月ほど続く。

2018/02/21(水)14:10:04.17(Iu7znXLt.net)


50T [sage]

AAS

NG

C
年が明けて早春の平日
俺は転職先探しで郷里の某街にいた。
遅い昼飯でも・・・と思ったときに彼女からSMSが届く。

『何してますか?』

その日帰郷することは教えていなかったが正直に現在地を伝えると

『あら、すぐ近くにいるのね』

偶然にも彼女のアパートと目と鼻の先の距離にいたらしい。
何をしているか問い返すと

『お昼ご飯の買い出しにでも行こうかと』
『それなら一緒にファミレスでも行くか?』
『そうね。着替えるから10分くらい待ってくれれば』

彼女に指定された待ち合わせ場所に車をゆっくり目に転がして到着すると
彼女はすぐに建物の出入口から飛び出してきて
助手席に何のためらいも見せずに滑り込んでくる。

『初めまして』
『改めまして』

画像の交換もしていなかったのでこれが正真正銘の初対面。
メールの堅い文面とは裏腹に丸いレンズの眼鏡が似合う
普通に可愛らしい年相応の女の子だった。

2018/02/21(水)14:54:43.24(Iu7znXLt.net)


51T [sage]

AAS

NG

D
某ファミレスにて軽く食事しつつメールの延長の世間話。
そこで互いの本名を教え合う。
彼女のファーストネームはマコトとかの
男女どちらにも使われる名前だった。
さもありなんと思い
メールの文面が女の子らしくないと指摘すると

『思考回路が男だってゼミの連中に言われる。ネットでもしょっ中間違われるし』

それはいつか彼女が語った
自身の幼少期の事件に基づくトラウマが関係しているのかも知れない・・・
表情は穏やかだが俺とほとんど視線を合わさない彼女と話していて
ぼんやりとそんなことを考えていた。

3日ほど当地に滞在する予定だと話したら

『じゃ、帰りでいいからパソコン引き取ってくれない?』

身軽なノート型に買い換えてデスクトップPCの処分に困っていたという。
約束通り3日後の夕刻
アパートに上がり込ませてもらって運び出す。
部屋の中は引っ越し準備で雑然としていた。3月下司には引き払って上京するとのことだった。

2018/02/21(水)15:20:19.10(Iu7znXLt.net)


52T [sage]

AAS

NG

E
彼女はいわゆる【不思議ちゃん】だった。
あどけないルックスと男言葉。
男性恐怖症でセックス嫌いといいながら過去に5人以上のセフレが居て
国家公務員上級試験に合格する知性。
ためにメル友を始めて半年の間
こちらの下心が動く機会は一度も無かった。
そもそも妻子持ちが一回り以上年下の女性にまともに相手にされる訳がないし
いつか自然消滅するものだと思っていた。
正月以降メールの頻度は月に1〜2往復。
そんな状態で何か起こるとか期待する方がアホである。

初夏。
彼女の正式配属先が決まった。
故郷の隣県。
俺が住むところとは故郷を挟んだ向こう側になる。

2018/02/21(水)16:30:03.77(Iu7znXLt.net)


53T [sage]

AAS

NG

F
その年の秋。
紆余曲折を経ながらも何とか職にあり就き帰郷を果たした俺に
関連会社への研修出張の命が降りた。
期間は10日間。場所は彼女が暮らす県の県庁所在地。
彼女にそれを伝えると
1日だけ休日が重なることが判った。
その日に逢おうという話になり
レンタカーを借りて彼女の街へ向かった。

9か月振りに会った彼女は
明らかに不健康そうな痩せ方をしていた。
メールではおくびにも出していなかったが
友達のいない慣れぬ土地での暮らしが
彼女に相応のストレスを負わせていただろうことは容易に想像がつく。
彼女が同僚に紹介してもらったという地場物の山菜料理が豊富なレストランで食事しながら近況を語り合い
やはり彼女が行きたがっていた山奥の美術館へ車を向ける。
絵画や彫刻などにはまるで関心のない俺だが
ダリの絵を不乱に見つめる彼女の眼差しや
庭園を流れるそよ風に頬を撫でられて浮かべた涼しげな微笑みに
心がゆっくりと癒されてゆくのを感じていた。

年末に彼女が病に倒れ
休職扱いで実家に帰省していることを知ったのは
年が明けて暫くした頃だった。

2018/02/21(水)17:05:56.76(Iu7znXLt.net)


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