安城などでトラクター盗多発　23号バイパス利用か

　「土を耕し、荷物も運べるトラクターは自分の手足。盗まれてしまっては仕事にならない」。
同市木戸町に四十五ヘクタールの田畑を持つ都築君保さん（４５）は肩を落とす。先月
三日朝に作業をしようと畑に出たら、トラクター二台が消えていた。

　十年前に買った一台はようやくローンを払い終え、もう一台は知人の農家と五年前に
共同購入したばかり。いずれも七百五十万円もしたのに、残されたのは車体から外され
放置されていた耕作ローターなどの部品だけだ。

　安城、刈谷両署によると、昨年十二月から今月六日までに安城市周辺で発生した
トラクター盗難は十一件（十二台）。内訳は安城市六件、刈谷市三件、知立市二件で、
被害総額は七千万円に上る。

　夜間も田畑に置かれたままの車両が狙われたケースが大半だが、保管庫の鍵が壊され
て盗まれた例もある。犯人は夜間にトレーラーなどに載せて運び去ったとみられる。

　捜査関係者は「安城、刈谷、知立の三市を貫く国道２３号が逃走ルートに使われている」とみる。
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20131109/CK2013110902000060.html