――クロアチアについてもう少し語ってください。準決勝進出は'98年以来ですが。
「彼らは最後相当疲れていた。とりわけラキティッチとモドリッチのふたりには、これまでもずっと大きなプレッシャーがかかっていたし、
この試合でも力尽きるまでプレーした。そして最後はPKも蹴らねばならなかった。
彼らがどれだけ疲弊し尽していたか私にはよくわかった。
しかし彼らの努力は報われた。(試合内容を鑑みれば)勝利に値したし、PK戦は公平とは言えないが、
それで勝敗を決めねばならないのがサッカーでもある。PK戦は観客にとって最も面白い勝負のつけ方として考案された。
ある意味これ以上はない真剣勝負でもある。
多くの人々はPKを簡単に蹴れると考えている。しかし背負うものが大きくなると、PKを蹴るのは大きな重圧が伴う。
成功するか失敗するかで、動く金の額も莫大なものになる。そうしたことすべてが選手の頭をよぎる。だからこそ難しい」
――PK戦を別にしてもクロアチアは素晴らしかったです。
「それには理由があって、スポーツが政治を越えているからだ。スポーツの力が政治を上回る。
そしてこのチームはすでに多くの経験を積んでいる。これまでに複数の大きな大会に参加し、それなりの実績を残してきた。
またチームの結束も固い。固すぎると言ってもいいほどだ。ビッグクラブに所属する選手たちがチームを構成し、嫉妬も反目も彼らにはない。
チーム内に何の問題もないのは、監督がそういう選手たちを選んだからだ。グループの調和を保ち、固い結束で最後まで行きつける選手たちだ」
――だから誰が相手でも力を発揮できる。
「勝ち進んだことで、周囲の期待も以前よりずっと大きくなったが、チームの中では誰も大言壮語はしない。
すべてが良くコントロールされ、チームはとてもバランスが取れている。特筆すべきは、ベンチの控え選手たちも充実していることだ。
彼らもまたビッグクラブで経験を積んでいるから、交代の際にも的確な選択ができるし、最も適した選手が問題を解決することができる。
前線のクラマリッチとコバチッチ。その後ろにはラキティッチとモドリッチがいる。
彼らはあまりプレッシャーを感じることなくプレーしている。そこが素晴らしい。彼らが言うように、最後まで行けるかどうか注目したい」