【ゲロゲリ】ゲロゲリゲゲゲ2【ゲゲゲ】
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375伝説の名無しさん

AAS

NG

THE GEROGERIGEGEGE 不安な演奏

ゲロゲリゲゲゲとして活動を開始する頃、当時の日本の自主制作の
パンク、ハードコアのカセット、ソノシートやレコードに熱狂していた。
ライブに通いながらも家で聴くソノシートやレコードは自分にとってライブとは
かなり違った魅力を放っていた。決して音の良くない当時のソノシートやレコードは、
どろどろした当時の日本のパンクに一役買っていた。音の悪さがその音楽を
ますます魅力的にして、それはその音楽の魅力の側面になっていた。その頃、
同時に海外の好きなバンドの本当に音質の悪い海賊盤に魅力を感じていた。
また盗聴されたエロテープにも全く同じ魅力を感じていた。
まさに妖しい。どれも意図的には出せない雰囲気だった。
今はオフィシャルでリリースされているが、ドアーズのマニアなら必ず知ってる
幾つかの形がある“Matrix Tapes”のブートはやはり既にレコードで聴けた。
主に出回っている音源はライブ2日目のラスト“The End”の「Mother,I Want to…」
の台詞の後にブート製作者が後から自分でオーバーダブした「Fuck You,Fuck You」
というボソボソ声が入っている。でも高校の時に聴いた音源は違っていて、
確かに「カーニバル!」という絶叫が入っていた。オーバーダブする事を
自制できないような危うさと凄く匿名的な所、海賊盤度数120%の魅力だった。
それからも音質が雰囲気を出すものに出会い続けてきた。>2000年に入ってからも、ペルーのブラックメタルバンドが
劣悪な録音のライブ盤をリリースしていて、ここでもその音の悪さは
暴力的な演奏に拍車をかけている。
発掘音源としてはKaren Daltonの1962年のライブのこもりまくった音質が、
もっと遠い黒人霊歌を密かにテノールで歌うために集まった人達の密会を思わせた。
Anti-Cimexのブートが連発されそれぞれに音質こそ悪いが極めて
ハードコアなライブ音源が入っていてJonson氏が吠える度、それはゾクゾクした。
今年に入ってからもマレーシアのレーベルがChaos UKのレアだったカセットを
CDで再発した。初来日時のそのライブ音源の雑な音質も
ノイジーな演奏と共に悔しいぐらいにパンクしていた。

2021/02/17(水)21:46:03.30(pQGej9Ww7)


376伝説の名無しさん

AAS

NG

今回の内容にゲロゲリゲゲゲの1988年リリースのセカンドアルバム
「昭和」を思い出す人達もいると思う。
あのアルバムは今回と全くコンセプトが違う。
それはリリース当時自分が聴いてきた中で一番高音質な盗聴カセットを
内容に選んでいるところにある。
日本を代表する推理小説作家、松本清張の1961年に連載された推理小説
「不安な演奏」。
盗聴していたエロテープ(ソノシート)の内容から事件を知り物語が始まる。
この小説に出会ったのも十数年前であり、いつかこのタイトルで
ボックス化しようと考えていた。
ここ日本にも1960年代にはエロテープは認識されていて、
今回ボックスになった内容も聴いて頂ければわかりやすいと思うが、
録音はおそらく1960年代から1980年代のものがコピーされ
形になっているものだと思う。この行き所のない記録。
またゲロゲリゲゲゲが今もインスパイアを受け続けている空気感、
音質の悪さが作品の側面として確かに存在するという事を感じて欲しい。

山ノ内純太郎 2020

Produced by Juntaro Yamanouchi
Mastered by Toshihisa Hirano
Designed by J.Y.
Layout by Yutaka Hishiyama
Translated By – Toby Feltwell
Big Thanks to Cristiano

2021/02/17(水)21:46:40.72(pQGej9Ww7)


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