安倍総理は、2014年11月に
後藤健二さんがISに拉致されたということを知りながら、
わざわざ「敵地」中東を2015年1月に訪問した。こんな危ないことは、尋常な感覚の
持ち主ならしなかったであろう。
その時、
後藤健二さんのご夫人は、必死に後藤さんを取り戻すための身代金交渉を
ISとの間で行っていた。そんなときに、中東、しかもよりによってアラブの敵イスラエル
を訪問し、さらにエジプトで、「ISILと闘う周辺各国に総額2億ドル程度の支援を約束する」
といういわば、ISへの宣戦布告を行ったのである。
その直後にISは後藤さんの映像を公開し、安倍総理の言葉を強く非難したのだ。
そして、最終的には、後藤さんは還らぬ人となった。
この間、官邸は、後藤夫人の身代金交渉を一切支援しないように外務省に厳命して
いたそうである。他の西側諸国では、表の建前にかかわらず、次々とISから身代金と
引き換えに人質を取り返したというニュースが報じられていたのに、安倍政権は米国
に認められたいという思いで、後藤さんを見殺しにさせたのであろう。
私は、後藤夫人が、安倍総理が中東を訪問すると知った時の気持ちを想像した。
そして、エジプトでのスピーチを聞いた時の驚きと悲しみと、そして、憤りを思った。
安倍晋三という人の非人間性を思い知らされた気がした。
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