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神7のストーリーを作ろうの会part11

703ユーは名無しネ

AAS

NG

なんでだ。なんでなんだ。どうしてなんだ。ああああああああああああ
暗闇の中で幾度となくその疑問を繰り返す。答える者などいないのは承知の上で。
谷村は嗚咽を漏らす。何故目を覚ましてしまったか、そして何故水断ちをしたはずなのに今猛烈にもよおしているのか。
やはりあれか…夕飯に出されたトマトスープをどんぶり一杯飲まされたからか…考えてみればスープだって水分だ。迂闊だった。
鉄格子の部屋は全部で4つ。5人だからそれぞれ一人ずつ三部屋と二人が一部屋で寝ることになった。谷村はそれとなく5人固まって寝ることを提案してみたがいかんせんベッドが各部屋に分かれてしまっている。
それでも一人でこんなところで寝るのは絶対に嫌だったので懇願して郁と二人にしてもらった。
郁はベッドで寝息をたてて深い眠りについている。リクエストした以上のごちそうが運ばれてきて満足して眠りについたからだろう。
「郁…郁…起きてくれ…トイレに行きたくないか…?」
問いかけて体を揺すってみたが返事はない。寝返りを打って谷村の願いを却下した。
「郁…頼む…トイレに付いてきてくれ…なんでも奢るから…」
プライドも何もかも捨てて、高校生の郁に懇願したが無情にも彼が目覚めることはなかった。そうしているうちにどんどん事態は深刻化する。
いっそ、ここでしてしまおうか…とも思ったがさすがにそれは倫理が許さない。こんな部屋でも一応は泊めてもらっているのだ。その中でするなど犬以下でしかない。さすがに人間でありたいと最後のプライドは保たれていた。
怖い。でも漏らしてしまうのは大学生にもなって情けなさすぎる。翌日栗田に爆笑されながら蹴られるのがオチだ。それも嫌だ。
真っ暗闇ならともかく、薄明かりが灯っていて余計に不気味さを増している。壁の亀裂や染みがまるで人の顔のように見えそこから目を反らした。
寝る前にそれとなく電気をつけて寝ることを申し出てみたが、栗田と颯に「暗くないと眠れない」と一蹴されてしまった。岸くんは同意しかけてくれたのに…
「!?」
谷村が恐怖と自尊心の狭間で苦しんでいるとそれは突然に視界に映る。颯らしき人影が鉄格子の向こうを横切った。
神様ありがとう…颯がトイレに起きてきたのだ。このチャンスを逃す手はない。
谷村は飛び起きて颯の後を追った。まるでホラー映画そのものの壊れかけたオンボロのトイレに颯はいた。
「助かった…颯、頼むから俺が終わるまで待っ…あっちょっと…!」
話しかけたが颯はもう用を足してしまったらしく半分夢遊病患者のように谷村の呼びかけには答えずうつらうつらと去って行く。
そんな殺生な…だがしかし来てしまった以上はもうこのまま戻れない。限界にまで達したものを処理しようとした。
「え…」
なんだかバチバチっとした羽音のようなものが聞こえたかと思うと次に世界が暗転する。見上げるとさっきまでうっすら点いていた蛍光灯が完全に沈黙してしまっていた。たった今切れてしまったのだ。
「酷い…神様…」
もう半分泣きながら用を足すと、次にそれを聴覚が捉えてしまった。
「なんだ…?」
何かが呻いているような…低く鳴るサイレンのような音が耳の奥をかすめる。
「…」
その音…いや、声?には聞き覚えがあった。そう、この村に自転車で到着し放浪していた時に聞いたあの音だ。
何処から聞こえてくるのか…全く分からない。分からないが確かに聞こえる。
そして、移動をしている。
まるでその音に気付いた谷村に向かってくるかのように。見えない何かが咆哮をたてて襲いかかってこようと…
「あぎ%&」〜#“ぎぇいあ>?|¥;bみうhm:@」*・vmsづうdんks+※◎!!f」
もうダメ。恐怖の限界。谷村はプッツンした。
それからどうやってトイレから出たのか記憶はない。谷村は夜が明けると自分が鉄格子の部屋ではなく変な狭い部屋の中で倒れているのを岸くんに起こされて気付いた。



つづく

2018/02/04(日)19:59:30.99(nEQ5ib16T)

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