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時空を曲げて、光の中へ

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AAS

NG

僕は春に彼女と会うと決めていた
今年の春もまだ寒さの残る気候だ
僕はゆうきの手を握り朝早くに家から連れ出した
僕には心の準備と用事が有った
今日の梅田でのデ一トの段取りを頭で組み立ててスマホにメモすることだ
割と早くに僕は梅田に向かう予定だった
こんな気持ちは何年ぶりだろう
外の空気を胸一杯に吸い込んだ
道端の桜の花が弾けそうだ
目を閉じてまた開けると青空が瞳に焼き付いた
僕は淡々と今日を迎えた
彼女とはスカイプで連絡を取る予定だ
もうおばさんになっちゃったから、期待しないでねと聞いている
北海道の計画で盛り上がってから何年後かの春だ
昨日雨だったから、今日は雨上がりだ
道路が反射してキラリと光っている
僕の横を車が過るサ一ッと音がした
今日から何かが変われば良い
あれから僕も歳を取り、すっかりおじさんだ
これが最後の恋になると良い
仕事を辞める覚悟でそこに向かう
彼女は良い返事をしてくれるだろうか
ずっと頭では色々を考えながら僕はゆうきの手を引いていた
僕の人生の転機になると良いな
僕は最後に駅を降りると人混みをすり抜け約束の場所に向かった
映画の様に人混みに足音が鳴り響く
僕はすっかり彼女に愛着を感じていた
今日が人生で1番すっきりした気分だ
スカイプを見るとメッセージが届いていた
“あなたが見つかりました、とても嬉しい、今から声をかけますね”
懐かしい女性が僕に声をかけて来た
僕と彼女はいつまでも手を取り恥ずかしそうに笑い
なんて言っていいのか分からずに見つめあっていた
“やっと会えたね”

2024/02/06(火)19:27:17.98(ugo9QNwbp)

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