★★★★雲★★★★
風が強く吹く日は
雲が千切れて痛そう
見る間に形は変わってゆき遂には見失ってしまう
まるで僕たちのよう
暑い真夏の陽射しの下では
青い青い抜けるような空
影も形もない雲を探して欲してしまう
当に無いモノねだり
雷鳴轟く憂鬱な午後
厚く暗い雲が
もくもくと押し寄せてきて雨と風と稲光を地上に降らせる
まるで赤子の癇癪だ
秋の夕暮れにたなびく雲はどこか侘しく物悲しくさせる
紅く染まった空も雲も
★★★無償の愛★★★
おじいちゃんは老いから手足が不自由で トイレも1人では厳しい。
だから、いつもはおばあちゃんが下の世話をしてた。
おばあちゃん以外が下の世話をするの嫌がったからだ。
ある日、家に俺とおじいちゃん2人になった。
おばあちゃんが倒れてしまい母と兄は病院 父は会社から直行したからだ。
おじいちゃんと留守番してると申し訳なさそうに
「悪いんだがトイレに…」っと言った。
俺は本当に馬鹿だなって思った。
一人じゃ行けないの知ってたくせに 気が付いてあげられないなんて………
孫、それも男には言いづらかっただろうなって。
トイレに行くとパンパースが小と大で汚れてた。
たくさん我慢させてしまった。
俺はおじいちゃんの気を反らそうと学校で あった笑い話を精一杯明るく話した。
お風呂場で体を洗ってパンパースつけてホッとした。
同時におばあちゃんは毎日これをしてるんだと思うと 何とも言えない気持ちになった。