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TBS★古谷有美 Vol.27★

98名無しがお伝えします

AAS

NG

と、欧州では、中央銀行の国債引受けが明示的に禁止されているほか、

新興国を含め世界の多くの国で、中央銀行による国債引受けは認められて

いません。わが国でも、財政法5条が本則で日本銀行による国債引受けを

禁じています。このような取り扱いは、一旦中央銀行による国債引受けを

始めると、初めは問題はなくても、やがて、通貨の増発に歯止めが効かな

くなり、激しいインフレを招き、国民生活や経済活動に大きな打撃を与え

たという歴史の教訓を踏まえたものです。このように通貨に関する基本原

則が世界的に確立されている中で、日本銀行による国債引受けが行われると、

通貨への信認自体を毀損することになります。こうした通貨への信認の毀損は、

長期金利の上昇や金融市場の不安定化を招き、現在は円滑に行われてい

る国債発行が困難になる惧れもあります。今回の東日本大震災の後も国債

の入札発行は順調に行われていますが、わが国の財政状況が厳しいだけに、

現在の安定的な国債発行環境を維持していくことは大事です。今回の震災

の経験から、我々はインフラが破壊された場合に、国民生活や経済活動に

いかに大きな影響が生じるかを改めて認識させられました。この点、通貨

への信認あるいは十分に機能している国債市場は、わが国の金融・経済に

とって重要なインフラの一角をなすものです。日本の財政状況は厳しく、

日本経済も震災の大きな影響を受けている時であるだけに、国際的にも

国内的にも通貨や国債への信認を維持することが極めて重要な課題とな

っていると思います。 この点で少し脇道に逸れますが、時々言及される

ことのある高橋財政期の日本銀行による国債引受けについても、簡単に

触れたいと思います。日本銀行による国債引受けに対する考え方につい

ては既に申し上げましたが、以下で述べるように、当時と現在の金融経

済情勢はそもそも大きく異なっている事実は意外に認識されていないよ

うに感じています(図表9)。 まず第1に、国債引受けの始まる前は金融

引き締め期でした。当時のコールレ−トは6.6%と高い水準であったのに

対し、現在は0.07%と極めて低い水準です。また、長期金利も当時の

5.9%に対し、現在は1.1%台となっています。第2に、高橋財政が始まる

直前の国債発行残高の対GNP比率は47.6%と、現在の対GDP比率の

181.9%とは比較にならないほどの健全財政の状態でした。

2020/07/29(水)19:15:21.72(DrUDEA+v.net)

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