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【防衛】要塞を守りきれ!ファンタジーTRPGスレ3

3 ◆ELFzN7l8oo [sage]

AAS

NG

【第1部あらすじ】

王国の辺境……深い森の中にひっそりと屹立するベスマ要塞。
かつて帝国との大戦において重要拠点であったこの要塞はいつしか廃棄され、今やならず者達の住処と化していた。
ベスマ要塞にはいくつかの噂があった。
秘宝が眠る、亡霊が彷徨う、秘密の地下研究錬に……黒い頭陀袋を被った正体不明の怪人が棲んでいる……
噂の一部は真実だった。怪人とは死者を操る屍術師であり、亡霊とは彼が作り出したアンデッドだったのだ。
ある嵐の夜、弓使いの少女が要塞に逃げ込んだ。
ここはならず者の巣窟、と彼女の身を案じた死術師は傀儡のスケルトンを介し明日には要塞を出るよう説得する。
そんな彼に好意を持った少女はすぐにでも会いたいと言い出す。彼女は名をイルマといった。
怪人は自らを賢者――ワイズマンと名乗った。
彼はイルマに一夜の安息を約束するが、ワーデルロー・ドゥガーチ率いる帝国の軍勢はすでに迫っていた。
ワイズマンは中庭で人形の制作に没頭していた人形使い(=クレイトン)とイルマとの3人で帝国軍に立ち向かう事を決意。
運悪く立ち寄った行商のエルフ(=シャドウ)を匿いつつ、戦いの火蓋は切って落とされた。
イルマの射的の腕は確かだった。火矢を用いた作戦も功を奏し、多くの重騎兵達を殺傷し敵に打撃を与える。
クレイトンの鉄人形もその巨体と腕力で敵兵を捌くが……多勢に無勢。人形は壊され、イルマは敵矢を受け倒れてしまう。
そんなイルマをシャドウが一蹴した。彼は帝国の密偵だったのだ。
彼は何故かイルマを治癒の魔法で回復させ、秘宝を求め地下研究棟へと向かっていった。
劣勢に傾いたと思われた要塞側だったが、ワイズマンの大魔術が形勢を一気に逆転させる。
巨大な魔法陣を天に具現、死者をゾンビと化して従え、さらに死体の集合体=レギオンを作り出し、敵を蹂躙したのだ。
指揮官のワーデルローは悪魔との契約によって魔に変化するも、イルマの矢に倒れ消滅、要塞側が勝利したかに思われた。
しかしシャドウは地下通路へ続く扉の封を解き、地下研究棟へ続く回廊にまで到達していた。
イルマはワイズマンを助けようと彼を追うが、疲れ果てた上に死霊にとりつかれ気を失ってしまう。
シャドウはイルマから死霊を取り払い、その上でワイズマンを研究棟から出てくるよう挑発。
それに応じたワイズマンはその正体を現した。その身を死そのものと化した強力無比のアンデッドだったのだ。
要塞に眠る秘宝も、最高の叡智と秘術を身に付けたワイズマン自身であった。
ワイズマンの容赦ない攻撃呪文に対し、シャドウも古代エルフの魔法を用いて応戦する。
両者の戦いは熾烈を極め、それを目の当たりにしたイルマは自分のせいだと自身を責める。
ついにイルマはワイズマンの最後の攻撃魔法(帝国軍をも一瞬で滅ぼす威力をもつ)の只中に身を投じ、その威力を相殺。
息絶えたイルマの気丈さに心を打たれたシャドウは自らの命を引き換えに蘇生の呪文を唱え、倒れるが……。
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2016/04/08(金)04:41:44.51(Qk6jaXPx.net)


4シャドウ ◇ELFzN7l8oo [2016/03/18(金)投下分sage]

AAS

NG

名前: シャドウ・ヴェルハーレン
年齢: 310(外見は18歳前後)
性別: 男
身長: 185
体重: 85
種族:エルフ
職業:帝国皇帝直属の騎士だったが、現在は要塞を警護する門番
性格:計算高く疑り深い、敵には容赦しない
長所:話せば解る奴、かも知れない
短所:火炎系魔法は苦手
特技:上級魔法が使える
武器:短剣、鞭
防具:なし
所持品:魔法関連の薬草
容姿の特徴・風貌:金色の長髪を後ろで束ねる。額には五芒星の印。
簡単なキャラ解説:「この世の叡智=賢者」守るため、要塞上部で番人をしている。

2016/04/08(金)04:56:26.20(Qk6jaXPx.net)


5シャドウ ◇ELFzN7l8oo [2016/03/20(日) 投下分sage]

AAS

NG

肌を刺す氷のような感触に「彼」は思わず顔をしかめた。しかし手元が狂わぬよう‥ゆっくりと刃を頬に滑らせる。
『行商が来たら純銀製の剃刀を手に入れよう』
いつも思うのだが「ここ」には滅多に客は来ない。
この要塞にまつわる「噂」がそうさせているのだろうが、今の彼にとってはあまり重要な事では無かった。
要塞の最上階、「医務室」と呼ばれる場で生活する彼にとっては。

あの要塞の一夜からどれほどの時が経ったのだろう。
気がついたら「地下研究棟への扉」の前に倒れていた。
少女に蘇生術を施したその後に何が起こったのか‥知るは賢者のみだが‥彼は何も語らない。
兎にも角にも彼はここに存在し、それが意味するのは‥術が失敗したという事だ。「彼女」はもうこの世に居ない。
帝国が崩壊したという情報がもたらされたのはそのすぐ後のこと。
帰る場もないが追手の心配もない。それならいっそ居座ってしまおうか、そんな軽い気持ちでここに居る。

【亜人、客だ】

いきなり声をかけられ剃刀を落とした。頬にうっすらと赤い筋が走る。
人が入って来たのではない。魔法による伝令だ。
一体いつになったら名で呼んでくれるのだろうとため息をつく。ま‥‥ネズミか蠅、よりはマシか‥?

外套を羽織り中庭に出た。春の陽気が鼻をくすぐる。
外壁の向こう側に人が居る気配。むせかえる花の香りが邪魔をして‥人間なのかどうかすら解らない。
いっそ門を叩いてくれればいい、その方が対応しやすい。

2016/04/08(金)04:57:49.65(Qk6jaXPx.net)


6創る名無しに見る名無し [2016/03/22(火) 投下分sage]

AAS

NG

エルフの旦那、銀のナイフは要らんかね?

2016/04/08(金)04:59:19.96(Qk6jaXPx.net)


7マキアーチャ ◇hsZ84b.sAE [2016/03/22(火) 投下分sage]

AAS

NG

名前:マキアーチャ
年齢:20
性別:女
身長:165
体重:50
種族:人間
職業:ハンター
性格:淡々としている、ツンデレ
長所:射撃の腕がまあまあ
短所:あまり頭で考える方ではない
特技:二本射ち
武器:ロングボウ、クロスボウ
防具:皮の胸当て
所持品:矢等
容姿の特徴・風貌:髪を三つ編みにした、細身のアーチャー
簡単なキャラ解説:平凡な冒険者生活に嫌気がさしている、女ハンター。
ここに来た目的:何も考えずに歩いていたらたまたま要塞にたどり着き、遺跡・廃墟マニアなので興味を持った。


私はマキアーチャだ。そこの男、お邪魔するぞ。
ところでここは何だ? あなたはここに住んでいるのか?

2016/04/08(金)05:01:27.36(Qk6jaXPx.net)


8シャドウ ◇ELFzN7l8oo [2016/03/23(水) 投下分sage]

AAS

NG

>6
姿の見えぬ客。その第一声に、門を押し開けようとした腕の動きが止まる。
こちらをエルフの男と言い当てたその力強い声音はドワーフのものだった。
ドワーフの5感は鋭敏だ。花の匂いに微かに混じるエルフの匂いを嗅ぎあてるとは流石‥と言おうか。
「エルフの旦那」は首を軽く振ると、門を開けた。ドワーフは信じられる。
少なくとも人間よりは。
はたしてそこには、およそ想像した通りの男が立っていた。
背丈はエルフの半分ほど、鍛冶職人を思わせる革服を身に付けたその男は、人の良さそうな赤ら顔をこちらに向けた。
手早く敷物を敷き、自慢の商品を並べ始める。

思わず唸った。
ドワーフの手による品の何と美しいことか。装飾もそうだが、その重厚さ、心に響くものがある。
鉄の品は無かった。おそらく相手がエルフと知り、あえてその場に出さないのだろう。
日用品は無いのかと尋ねると、お安いご用と云った風に荷を解き始める。
銀の皿にフォーク、スプーン、燭台に柄の長い剃刀。
ひと揃い選び、懐の薬草を手渡した。
明らかに不審の色を浮かべたドワーフに、
これはエルフの聖地にしか生えぬ貴重なもので、魔力と生命力を引き出す薬草だと説明すると、とたんに顔をほころばせた。

取引成立。
これでもう‥食事と身支度の度に嫌な思いをせずに済む。

2016/04/08(金)05:03:34.80(Qk6jaXPx.net)


9シャドウ ◇ELFzN7l8oo [2016/03/23(水) 投下分sage]

AAS

NG

>7
ふと見上げると、人がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
ドワーフと入れ替わるように門の前で足を止め、じっとこちらを見つめるそれは‥人間の女だった。
イルマより歳は少し上だろうか‥などとつい思い、首を振る。
あらためて彼女を観察した。
彼の背丈とさほど変わらぬ長さの縦弓の他、横弓を装備している。
小娘の持つ弓よりいくらか上等な得物だ、と感心し‥‥ハッと我に返る。意図せず彼女と比べている自分に舌打ちする。
女はニコリともせず、マキアーチャと名乗った。警戒を少し緩める。名乗られたのなら名乗り返すのが礼儀だ。

「私はシャドウ(影)と呼ばれている」

君は・と言いかけるが矢継ぎ早に質問を浴びた。ここは何か、ここに住んで居るのかと。
彼女は彼は日用品を買うところを見ていたはずだ。つまり「何故住んでいるのか」と聞きたいのだろう、と勝手に解釈する。
ふう‥‥‥っと長いため息が出た。しばし思案し口を開く。

「ここは王国の領地内。つまりここは王国の要塞」
一陣の風が吹き、咲き誇る花の花弁を吹き散らした。額に降りかかる花を手の甲で振り払う。

「この額の印は帝国騎士の証。帝国の者が王国の要塞に居る。‥故にその疑問はもっともだが‥話せば長くなる」
外套が煽られ、彼の服装が露わになる。騎士とは言うが、鎧の類を一切つけず、長剣も帯かず。

「見ての通り、私はエルフ。故に魔法が使えるが‥案ずるな。行使時はこの印が光る」
今は光を帯びていない印に軽く触れる。

「こちらの問いにも答えてもらおう。ベスマ要塞。この名を聞いたことがあるか。その名にまつわる噂も」

獅子に似た金色の眼を細め、じっとマキアーチャを見つめた。
敵なのか否か、彼女の貌(かお)から読み取る事が出来ないでいる。

2016/04/08(金)05:05:52.20(Qk6jaXPx.net)


10マキアーチャ ◇hsZ84b.sAE [2016/03/23(水) 投下分sage]

AAS

NG

エルフの男に挨拶すると、シャドウ、と名乗られた。
ここは王国の領地内で要塞だという答えに、マキアーチャはほっとした。

「なるほど、そういうことか…
ベスマ要塞だと…?ここが!噂では地下に宝がある、ということぐらいだ。
どうせ王国が棄てたほどの要塞だ。もうとうの昔にそんなもの、無いんだろう」

シャドウに見つめられる。どうやら敵意はなさそうだ。
マキアーチャは、弓を下ろすと、その近くに腰掛けた。
「少しの間だ。弓の練習場にでもさせてもらおう。
大丈夫、気が済んだら帰るから。食料も心許ないんでね。
それにしても、この近くは甲冑やら武器やらの破片を多く見る。
この近くで少し前に戦争でもあったのか?」

2016/04/08(金)05:06:59.37(Qk6jaXPx.net)


11シャドウ ◇ELFzN7l8oo [2016/03/24(木) 投下分sage]

AAS

NG

驚いた。
ベスマ要塞の宝の噂を耳にしていながら、どうせ無いのだろうと一笑に付したのだ。
冒険者はたいがい宝という言葉に弱いものだが‥‥この女、ぶっきら棒だが邪気がない。
シャドウの視線から目を逸らし、外壁に立てかけた弓の傍らに腰かけたマキアーチャを眼で追う。
印象としては悪くない。さばさばとしていて言葉の澱みもない。
が‥かといって簡単に信用は出来ない。

>「少しの間だ。弓の練習場にでもさせてもらおう。
大丈夫、気が済んだら帰るから。食料も心許ないんでね。
それにしても、この近くは甲冑やら武器やらの破片を多く見る。
この近くで少し前に戦争でもあったのか?」

ああ、と答えて要塞の周辺を見渡した。多少草木に紛れているが、かつての戦いの跡は手つかずのままだった。
無論片づける気はさらさら無い。
骨が折れるという事以前に、鉄に触れたくなかった。焼けたそれを触った時と同じ衝撃を受けるからだ。
エルフ特有の‥一種のアレルギーなのだろう。実際に火傷を負う訳ではないが。

「かつての帝国がここに攻め入った。その数は‥これを見れば想像に難くないだろう」
半分土に埋もれた鉄製の剣を足で小突いた。錆びた破片が風で巻き上がる。

「それが‥‥一夜にして全滅した。ただの3名の手によってだ。信じられるか?」
瞼を閉じる。その時の様相がまざまざと浮かび‥たまらず目を開く。
何事も無かったように歩き出した。彼女の「得物」の方へ。

「素晴らしい長弓だ。確かにここは‥練習には持ってこいだな」
長弓の例に漏れず、その長さは彼女の背丈を超えている。材質は‥骨‥或いは象牙だろうか。
主に馬上で弓を引いていた彼は、この長さの弓を扱ったことが無かった。触れてみたい。何かを射ってみたい。

要塞を取り囲む森に目を向けた。陽は高いが、鬱蒼と茂る森の中は薄暗い。
鹿がいる、と直感的に感じ取る。
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2016/04/08(金)05:08:07.53(Qk6jaXPx.net)


12マキアーチャ ◇hsZ84b.sAE [2016/03/24(木) 投下分sage]

AAS

NG

「かつての帝国がここに攻め入った。その数は‥これを見れば想像に難くないだろう」
半分土に埋もれた鉄製の剣を足で小突いた。錆びた破片が風で巻き上がる。
「それが‥‥一夜にして全滅した。ただの3名の手によってだ。信じられるか?」

シャドウからの説明が入る。
「なるほど。あちこちにあった白い粉のようなもの、その塊、人の骨ということか。
これは…相当の人数だな。三人で、などは不可能だろう。私は何度も戦場で撤退を経験している」

話している間にもシャドウが長弓について誉め、さらに勝手に手に取って外にいる鹿を狙い撃った。
こちらにはクロスボウがある。もしこちらを狙うなら先に撃つことなどは容易い。

外の鹿に矢を放って落胆するシャドウを見て、マキアーチャは僅かに笑った。
「あなたは見たところ弓使いではないようだな。エルフの割に、他の文化に精通し過ぎている」

「長弓の軌道は慣れていなければそれを読むのは難しい。ましてや動く動物ならな」
そう言うとマキアーチャはクロスボウを構え、クォレルを鹿に向けては発射した。
外れた、かに見えたが鹿の尻尾付近に一本が刺さっている。鹿は動きを封じられ、
他の仲間は少し離れた位置で遠巻きにしてそれを心配するように眺めている。

「このとおり、クロスボウの射線は直線。それも二本撃つことで的中率は上がる。
しかし裸の鹿を狙ってこの程度だ。これが鎧を着た人間なら相当の力と精密さが要るだろうな」

クロスボウを下ろし、窓から空を見上げた。雨が降っている。
どうやらこの晩はこの要塞で過ごすことになりそうだ。
「ついていないようだ。シャドウ、今夜はここに泊まらせてもらう。
…「死の賢者」とやらが出なければいいものだな」

2016/04/08(金)05:09:05.61(Qk6jaXPx.net)

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