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【防衛】要塞を守りきれ!ファンタジーTRPGスレ3

14マキアーチャ ◇hsZ84b.sAE [2016/03/26(土) 投下分sage]

AAS

NG

シャドウがスペルを唱えると、マキアーチャが弱らせた鹿に止めを刺した。

「あ…」
そこまでするつもりはなかったのだが、もう起こってしまったことは仕方が無い。

転移魔法らしきものを使い、気がつけばシャドウは鹿肉を持ってこちらに来ていた。
「そこまでしなくとも…まあ、感謝しよう」
腹が減っていたのは確かだ。礼が自然に出た。

シャドウは無言で地下へと来るよう促す。
「賢者」とやらが眠りを覚ますかもしれない。マキアーチャの足はゆっくりとシャドウとつけた。
しかし…

そこは食料庫のようだった。
>「鹿肉のソテーに合うと思わないか?」
マキアーチャにシャドウが迫り、耳元へと近づく。ドキリとしていくのが分かった。
>「ディナーの後‥‥二人きりで夜を明かそう」
「その最中(さなか)で聞かせてくれ。‥‥死の賢者とは何か‥‥君の本当の目的とは‥何か」

「あ…その、だな」
マキアーチャはすっかりとシャドウの仕草にうっとりとしていた。
一晩の間、男に守って貰えるのならば、それも悪くはない。元々そういう性格だ。
ワインを飲み、食事を口に入れながら久々に落ち着いた気分になっていた。
ただ、「死の賢者」というたまたま口から出た言葉にそこまで拘る理由については聞かないが。

マキアーチャがやがて、弓を置いた。
「良いだろう。共に夜を明かすことを…歓迎する。戦うつもりはない。一晩限りならな…
目的など初めからない。だが…「死の賢者」がここに居るという噂ぐらいなら知っている。これだけだ、さぁ、夜に感謝すればいい…」
食事を終え、体を横たえる。顔が紅潮し、脈が速くなっていた。

2016/04/08(金)05:11:34.90(Qk6jaXPx.net)


15シャドウ ◇ELFzN7l8oo [2016/03/26(土) 投下分sage]

AAS

NG

>「あ…その、だな」

意外にも、マキアーチャは抵抗しなかった。むしろうっとりと自分を見つめ‥その眼に敵意の色はない。
知らずに【魅了(チャーム)】のスペルでも使ってしまったのだろうかと疑うほどだ。
種族は違えど所詮は雄と雌。身体を求めあうは自然の摂理か‥
マキアーチャの顎に手をかけ、唇に自分のそれを重ね合わせようと近づき‥‥寸前で止めた。愉しみは後だ。

赤ワインを数本、食材をいくつか籠に取り、最上階の医務室に向かった。
続き部屋になっている厨房兼食堂のテーブルに籠を置く。手伝おうとするマキアーチャを手で制し、準備に取りかかる。
まずは‥‥暖炉の火を厨房の炉辺に移す事からだ。


ほどなくしてテーブルには宮廷料理と見紛う出来栄えの皿が並べられていた。
メインはもちろん獲りたてのジビエだ。ローストした鹿肉のオレンジソースかけ。骨付きの赤ワイン煮込み。
付け合わせは香草のサラダ、パセリを散らしたポタージュ。
デザートは中庭の百合根を使ったオリジナルのターキッシュ・ディライト(=トルコのロクムに相当)。
どれも皇帝付きのシェフ直伝だ。
初めて人間の料理を口にしたときの感動が忘れられず、頭を下げ頼み込み仕込んでもらった結果だ。
見事な細工の銀の燭台と食器がテーブルの料理を引き立てている。
あのドワーフに感謝しなければ、と胸で十字を切る。
「聖なる糧に大いなる喜びと感謝を」
ナイフを手に取った。彼女の口に合うといいのだが。

グラスを触れ合わす音。ナイフを入れる金属音。燭台の蝋燭の‥ゆらめく炎の音。
普段の食事ではあり得ない音の数々を彼は愉しんでいた。窓を打ちつける雨音までも二人を祝福しているように感じる。
ワインが1本、2本と空くにつれ‥二人の距離が狭まる。当たり障りのない会話。こんな夜もあっていい。

食事が済み、皿を水場に運ぶ。またしても手伝おうとするマキアーチャを止め、皿を四角い箱のようなものに押し込める。
【水魔法】を用いる食洗器だ。皿の数が多い時は便利だ。
額の五芒星から放たれる光が黄色に変わる。これが赤くなった時‥魔力は底をつく。今日は少々使いすぎた。
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2016/04/08(金)05:12:52.11(Qk6jaXPx.net)


16ワイズマン ◇YXzbg2XOTI [2016/03/26(土) 投下分sage]

AAS

NG

>>15
【思考が漏れ出ているぞ、亜人。
なぜ、このわたしが君の交尾の機会に配慮しなければならないのかね?

自身を以ってベスマ要塞の門番を任ずるなら、役目を何より優先して果たせ。
わたしは忙しい。わざわざ客の相手をする時間はない。

さあ、往きたまえ。敵ならば殲滅し、流れ者ならば適当にいなせ。
誰一人として、わたしの研究棟には近づけさせないように……】

地の底から響くような、低い声。
それは、要塞の遥か最下層に居を構える『死の賢者』のもの。
一夜の宿を望む娘には取り合わず、シャドウへ一方的に用件を告げると、それはほどなく絶えた。

【当PCのご愛顧ありがとうございます。楽しそうなのでちょっとお邪魔を。失礼致しました】

2016/04/08(金)05:14:57.32(Qk6jaXPx.net)


17オーク氏族『オド・オ・オボシュ』 ◇QHUMtA89T. [2016/03/26(土) 投下分sage]

AAS

NG

オーク、という種族がいる。
豚面の亜人種(デミ・ヒューマン)である。
古文書に曰く、その性、凶暴にして貪婪。怠惰にして狡猾。
略奪をもって是とし、姦淫をもって善とす。

かつては神代の時代に豚頭の魔王オルクスの眷属として武勇を揮ったとされるが、今やその面影は微塵もない。
森や渓谷、人里離れた迷宮など、どこにでも群れを作っては血の繋がりの濃い『氏族』を形成する。
氏族は一匹の『族長(チーフ)』を頂点とし、上意下達の一枚岩となってしばしば人里に下り、略奪行為を働く。
その文化程度は甚だ低く、精神的にも愚劣極まりないものであり、人間やエルフ等とは基本的に相容れない。
畢竟、国や地域を問わず討伐すべき対象とみなされている存在である。

そして。

「ブッヒヒ……ここがメグマ要塞かァ。なかなか立派なところじゃねェか」
「バカ、メグマ要塞じゃねエよ。ベクダ要塞だって、族長が言ってたろォ?」
「そうだったか?忘れちまったよ、ブヒヒヒ!」
「まあ、どっちでもいいやな!とにかく要塞の場所はわかったんだし!おい、族長にご報告だァ!」
「ブヒーッ!」
「ブヒヒ!」

今、ベスマ要塞は新たな侵略者を迎えようとしていた。

2016/04/08(金)05:16:03.75(Qk6jaXPx.net)


18オーク氏族『オド・オ・オボシュ』 ◇QHUMtA89T. [2016/03/26(土) 投下分sage]

AAS

NG

名前:オーク氏族『オド・オ・オボシュ』
年齢:まちまち
性別:全員男
身長:1m程度から2m越えまで様々
体重:総じて肥満
種族:オーク
職業:蛮族
性格:凶暴、強欲、性欲旺盛
長所:戦闘慣れしており、筋力ならびに防御力は人間やエルフを上回る
短所:基本バカである。魔法は知らない
特技:どんな種族の女でも妊娠させることが可能
武器:棍棒、錆びた剣、古びた槍など様々
防具:腰ミノ(基本裸)
所持品:特になし
容姿の特徴・風貌:豚面の亜人種。
簡単なキャラ解説:50匹程度で群れを形成しているオークの氏族
ここに来た目的:ベスマ要塞を新たな根城とし、近隣の町や村を襲おうと画策している

【よろしくお願い致します。なお、やられ役ですので勝つ気は微塵もありません】

2016/04/08(金)05:17:08.82(Qk6jaXPx.net)


19マキアーチャ ◇hsZ84b.sAE [2016/03/27(日) 投下分sage]

AAS

NG

「ん…」
シャドウの体がのしかかり、接吻が始まった。
男女のシルエットが一つになろうとしている。

しかし…
>【亜人、客だ】

どうやら妙な声が響いた、これが「死の賢者」だろうか?
マキアーチャは先ほどのことは成り行きに過ぎないので、シャドウに対して気を使ったが、

>「共に来るか?招かれざる客かも知れないが」

という言葉に即答し、向かった。
と、シャドウの足が止まる。何者かと会話をしているようだ。


「で?結局のところ、私は眠れないようだな」
不機嫌そうにマキアーチャが要塞の下を見下ろしながら言った。

どうもオークの一団がここベスマ要塞に近づいてきている。
オークというのは与しがたい相手だ。人間のように整然と攻めてはこない。
ましてやこの人数だ。かつてここに居たという伝説の戦士達のようにはいかないだろう。

既に門は閉めてある。
オークたちは草原や木のあるあたりをうろうろとしており、まだこちらを攻撃する様子はない。

マキアーチャはもしもの場合は撤退することも考え、このまま眠ることよりも撃退するという選択をした。
「シャドウ、とりあえず数発撃って様子を見る」

マキアーチャは射程の長い長弓を構え、一発を一番手前で見張りをするオークに向け放った。
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2016/04/08(金)05:18:02.28(Qk6jaXPx.net)


20シャドウ ◇ELFzN7l8oo [2016/03/28(月) 投下分sage]

AAS

NG

>「で?結局のところ、私は眠れないようだな」

食堂の窓から外をうかがうマキアーチャの声には苛立ちが混じっている。
文句はあちらさんに、といった風に外を眼で差し、肩をすくめて見せた。
客はオークの群れ。
知性は無い、と侮りがちだが中々どうして。
「街」を作らぬエルフに取っては厄介な相手だった。
騒ぎに駆けつけたあの時も‥尻から顎にかけて杭を穿たれた同胞の姿が今でも眼に焼き付いている。
男は殺す、女は犯してから殺す。人が戦場の狂気を借りて行う行為を当然のこととする連中だ。

「こっちへ」
屋上へは向かわず、マキアーチャを銃眼(=矢を射るための狭間)のある場所へと案内した。
見晴らしは相当悪いが、春を迎えたばかりの雨はまだ冷たい。体力を消耗するのは避けたい所だ。
この要塞に設えられた銃眼は縦に長く、長弓の射手には有利だ。反面、横弓であるクロスボウには不向きとされる。
マキアーチャが弓を引き絞り、第一矢を放つ。
案の上、暴風に煽られうまく飛ばない。が、すぐにコツを掴んだらしい。非人間的な動物の悲鳴が耳に届く。

>「シャドウ、やったぞ。ここは死の賢者とやらの加護があるんだろう?」

「‥加護?」
思わず問い返した。言われて見て初めて気づいた。自分はまだ「加護」を受けていない。
もうひとつ。魔力を消耗した今‥使える呪文は一度が限度。
「容易には門の扉は破れまい。しばしここを頼む」
そう言い残し、【転移】のスペルを唱え、その場から消えた。

2016/04/08(金)05:19:10.09(Qk6jaXPx.net)


21シャドウ ◇ELFzN7l8oo [2016/03/28(月) 投下分sage]

AAS

NG

移動先は賢者の住まう研究棟のひとつ手前、あの一夜の決戦が行われた回廊内。
座標を把握しているからこそ転移可能な場ではあるが‥‥来ていいと許された場でも無い。
こめかみに浮かんだ玉の汗が頬を滑る。手の震えが止まらない。言葉を発しようと口を開くが‥かすれ声すら出ない。
これが‥‥一夜にして身体に植えつけられた恐怖という名の呪縛。
膝を折り、両の腕を左右に広げた。深く息を吸い‥‥吐きだす。

「賢者よ!!崇高にして偉大なる我が主(あるじ)よ!!」

返事はない。回廊を漂う死霊の群れが、まるで主人の代わりを務めるかの如く引き攣った叫びを上げる。
「今一度その御姿を拝顔したく参上した非礼、お詫びいたします」
「未だ契約による加護を受けぬこの身、過分なる命を受けるに及ばぬ身なれば」
「その御身を以て我が額(ぬか)に契約の印(しるし)を授けたもう‥」

魔術のスペルにも似るシャドウの言葉は、略式ながら主との契約を結ぶ形式、儀式に乗っ取ったものだった。
いま額にある正五芒星は帝国の印、以前はこれを介して本国より魔力の供給を得ていたのだ。
だからこそ死霊を従えるという大技も使えた。
だが、失われた帝国はもはやその役を為さない。彼自身の魔力では到底門番の任など負える筈もない。
賢者と契約を結ぶことは、彼自身には必要なことだったのだ。

「賢者よ!ご返答を!!」哀願の叫びが虚しく響く。

「よもや‥こうお考えか!?この額にある‥帝国の印が邪魔だと!!?」
シャドウは短剣の鞘を抜いた。眉間に切っ先を当て、一息に額を薙ぐ。
両手の平を床につき、深く首(こうべ)を垂れた。ポタリ‥‥緋色の雫が白い大理石に新たな彩りを与える。

「帝国の犬は‥今ここに‥ただの犬となり果てて御座います‥」
彼はそのまま動かなかった。ひたすら賢者の返答を待つつもりである。


「我が真(まこと)の名はヴェルハルレン。主を裏切らぬ印なれば、お受け取りを」

2016/04/08(金)05:20:22.65(Qk6jaXPx.net)


22マキアーチャ ◇hsZ84b.sAE [2016/03/28(月) 投下分sage]

AAS

NG

>「こっちへ」

「こんなものが…あったとはな」
銃眼。こちらからの攻撃はきわめて容易だが、向こうからこちらを狙うのは至難をきわめる。
はっきり言ってたいした腕ではないが、矢もふんだんにあるようだ。

>「容易には門の扉は破れまい。しばしここを頼む」
そう言ってシャドウはその場を離れる。その瞬間マキアーチャの胸に不安がよぎった。

「さびしくなるな」
シャドウの背中にそう声をかけると、オークの軍勢に向き直る。

迫り来るオークに次々と長弓から矢を浴びせかける。
攻撃は外れが7割だが、速射と敵が殆ど飛び道具を持っていないこと、銃眼のおかげで
門に辿りつくまでに5、6人のオークを戦闘不能にし、10人程度を負傷させた。
長弓はボロボロになり、途中からはクロスボウを隙間から撃ち込んだ。
倒れたオークのうち何人が死んだかは不明だ。生命力のある生物だ。なかなか死ぬとも考えられない。

さて、残った40程度のオークが門に様々な武器をもって攻撃を仕掛ける。
その中には破壊槌もあった。近いうちに破られるだろう。

「くっ、どうしたらいい?」
そうは言っても一人では限度がある。撤退するか…
そこまで考え、屋上があることに気付いた。
クロスボウを持ち、屋上の門の真上の位置に陣取る。そこには大小の石が用意されていた。

石を転がしながら、破壊寸前の門を見、さらに周囲を見回す。もし進入されたらどちらから脱出しよう。
よく見ると先ほど上がった場所以外にも梯子が用意さえている。

マキアーチャは決して強くない腕力で必死に投石を続け、さらに数人のオークを頭から潰し戦闘不能にした。
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2016/04/08(金)05:21:24.98(Qk6jaXPx.net)


23オーク氏族『オド・オ・オボシュ』 ◇QHUMtA89T. [2016/03/28(月) 投下分sage]

AAS

NG

「ブヒッ!?な、なんだ!?」
「矢だ!要塞から攻撃されてるぞオ!」
「この要塞は廃墟なんじゃなかったのかよゥ!?ブヒーッ!」

マキアーチャの示威行動に対し、斥候として要塞に近付いていた数匹のオークが喚く。
数発当たりはしたものの、殺傷可能射程の範囲外だ。致命傷には程遠い。
無抵抗とばかり思っていた要塞からの、思いもよらぬ先制攻撃。
オークたちはしばらくブーブー、ブヒブヒと鼻息荒く吼え立てたが、ほどなくそれぞれ武器を構えた。
――尤も、戦術や組織だった行動といったものは無い。そこまで上等な脳味噌など持たない生物である。

矢を警戒し、おっかなびっくりといった様子で要塞に接近しかけていたオークたちであったが、そのうちの一匹が不意に鼻をひくつかせる。

「どォした?」
「におう、ニオうぜえ……。こりゃ、メスのニオイだァ」
「……本当だ。メスのニオイだ。こりゃ、人間のメスのニオイじゃねエか。ブヒヒ、要塞にメスがいるのかァ?」

オークは聴覚と嗅覚が非常に発達しており、目よりもにおいで物事を把握する。
要塞に近付いたことで、マキアーチャの僅かな体臭を嗅ぎ当てたのだ。
それまで矢の洗礼にやや怯えていたオークたちは、俄然いきり立った。

「ブヒヒヒッ!メスは族長に献上だァ!さぞかし喜んでくださるだろォぜ!」
「バカ野郎!どこのメスとも知れねェメスを、いきなり族長に差し出しちゃヤベェだろォが!?」
「あぁ〜?ってことは……」
「まずは、俺たちで2〜3回毒見してからに決まってンだろォ!?ブヒヒヒヒッ!」
「ブヒーッ!俺が一番な!」
「オ、オデも、メズと犯りだぁぁい゛!」

下劣な連中である。また、清潔にするという習慣がないため、その身体は常に悪臭を纏っている。
オークどもが要塞に接近したなら、生臭いにおいがマキアーチャとシャドウの嗅覚を刺激するだろう。
具体的に言えばイカのにおいだ。栗の花でもよい。
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2016/04/08(金)05:22:15.92(Qk6jaXPx.net)

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