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なぜあの店は潰れたのか

26名無しさん@お腹いっぱい。

AAS

NG

東急グループには、資本の集中装置がなく遠心力があまりに強かった。ホテル事業ひとつとっても
「東急ホテル」を展開する東急ホテルチェーンと「東急イン」「エクセル東急」を展開する東急電鉄が並立していた。
タイプやグレードが異なるとはいえグループ内で同業の競合が発生した。

こうしたグループ内の協業の薄さ、事業の重複はグループ全体で管理も
調整する装置も無い為、グループの経営を弱める方向に働いた。
 
流通では収益性の高い都市型DIY店を東急ハンズが独自に展開、東急百貨店や東急ストアとの連携は皆無だった。
象徴的なのは新宿高島屋に入居している東急ハンズが、東急百貨店には一店も入居していないことだ。

他の東急ハンズの店舗も首都圏では池袋、町田、川崎、藤沢など東急沿線を意識的にはずしたような出店戦略になっている。

この所為か私鉄の中でも東急の流通事業は活力に欠けている。
多くの私鉄は沿線の小売り売上高の一〇〜一五%程度を自社の百貨店、スーパーで握るが、
東急の場合、取り切れているのは八%程度といわれる。リテール部門強化は東急グループにとって急務なのだ。

今、東京・渋谷の東急百貨店本店が売却されるというウワサが再び流れている。買い手はユニクロとも
三越伊勢丹HDとも言われるが、現在、東急グループ売上高の四五%を占める百貨店、スーパーなどを展開する
リテール部門の惨状と危機を表している。

例えば東急百貨店は二〇〇七年に当時の伊勢丹と提携するまでは、人員削減と店舗の閉鎖で何とか黒字を維持
してきた有り様で、人材はすっかり枯渇。社長も伊勢丹から招いてノウハウを一から立て直さねば立ち行かない状況だった。

東急ストアも「上質化」という方針のもと高級化路線を歩んだが、デフレ下の節約志向に抗せずほどなく頓挫。低迷状態が続いている。
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東急グループの売上げ45%を占めるリテール部門は、グループ売上高のわずか一六%を占めるに過ぎない交通部門、
とりわけ鉄道幹部の天下り先に過ぎず、電鉄から社長がパラシュートで降りてきて「よきに計らえ」的な経営を今日まで続けた。
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ほどなくリテール部門は電鉄の植民地と化し、トップが代わるたびに揺れ動く経営方針に現場には無力感が充満していった。
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これでは生き馬の目を抜く競争が続く国内流通業界で、ライバルに伍していける経営幹部が育つわけがない。

東急グループ内では他に、電鉄子会社の東急モールズデベロップメントが「109」というファッションビルを運営しているが、
百貨店やストアとの交流はない。また「東急ハンズ」というバラエティストアは電鉄との不仲説が強い東急不動産が運営しており、
当然ながら百貨店やストアとも連動していない。しかも祖業的な不動産部門は電鉄と東急不動産が競うように不動産開発をして
いる状態で、東急グループは「内紛縦割体質は酷い」(東急百貨店関係者)と自社の人間にも揶揄されている。

支離滅裂経営の「リテール部門の命取りになるのでは?」(流通大手役員)と言われるのは、一千億円を投じた渋谷の再開発の事だ。

再開発施設で主役を担うリテール部門が様々なテコ入れを図っても極めて脆弱であり、折角の渋谷再開発を生かせるのか不明なのだ。
グループ内の小売り事業は先の見えない百貨店、スーパーを除くと駅の売店に毛が生えたようなものばかり。
成長が止まったとはいえ業態としての応用可能性はまだ残る本格的コンビニチェーンも有しない。

リストラの後遺症がいぜん残る中、東急グループ各社の縦割り経営、東急百貨店や東急ストアのリテール力の圧倒的な不足など、
東急グループのリテール各社の不手際が、東急グループの「凋落」をさらに加速させる恐れがあるのだ。

2012/01/15(日)17:25:53.78(NgsY097L0.net)

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