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お嬢様との思い出の日々

5大人になった名無しさん

AAS

NG

金の出所は伏せるが、決してヤクザ者ではない
皇室の方々の交流も無い。
想像出来るのは「華麗なる一族」と思ってくれていい。
もちろん家族構成は全く違うが、それほど幼い俺には驚愕だった。

2014/07/16(水)14:00:35.36(uKhc9uYaV)


6大人になった名無しさん

AAS

NG

何故この屋敷の離れに俺の家族が住んでいるかという事だが
これには先祖代々の流れがあるとだけ聞かされた。
祖父が生きている時に聞いたのは、先の大戦での事。
屋敷の先代主が戦地での戦闘中に負傷した。
そして敵陣の中での負傷は死を意味した。

2014/07/16(水)14:03:30.41(uKhc9uYaV)


7大人になった名無しさん

AAS

NG

そんな中、祖父は先代主を必死に庇い脚、腋に銃弾を浴びながらも
敵陣から先代主を救い出した。その恩に報いるために
先代主が祖父にこの屋敷の管理を任せ食い繋いでいけるように
取り計らったという話だった。だがこの話を俺は今でも真に受けてはいない。

2014/07/16(水)14:04:52.24(uKhc9uYaV)


8大人になった名無しさん

AAS

NG

祖父は先代主に忠誠を尽くしたと聞いている。
その子供である俺の父親は新しい主にも同様に忠誠を尽くした。
忠誠というと時代遅れだが、誠意を尽くしたとも言える。

父親は主の秘書であり、主のよき理解者だった。
俺が生まれた時、主はたいそう喜んだと聞いた。
だが、父親は俺の父親ではなく、主の腰巾着としか
思わない時期もあった。

2014/07/16(水)14:06:23.53(uKhc9uYaV)


9大人になった名無しさん

AAS

NG

母親はお屋敷の家事全般を賄っていた。
お手伝いさん達を纏める今でいうチーフみたいな存在だった。
家族で食事をした事など殆どなく、離れや休憩室みたいな所で食べる夕食は
いつも冷たかったのを覚えている。
だけれど、お手伝いさん達と食べる食事はおいしく、特に不満はなかった。

あともう何人か兄弟がいるがこれは割愛しておく。
物心つく、というか記憶が鮮明なのは小学2?3?年生位だっただろうか
お屋敷に行くといつも俺の隣には白い洋服を着た女の子が居た。
御飯事をしたり、よく屋敷外を二人で探検ごっこをしたりしていた。

2014/07/16(水)14:07:49.74(uKhc9uYaV)


10大人になった名無しさん

AAS

NG

でも学校に一緒に行ったのは憶えていない。
屋敷のお嬢様は毎日車庫から出る車に乗せられて私立の学校へと
通学していた。俺は地元の公立だがよく一緒に途中まで乗せて行ってくれた。
運転手の顔は今でも覚えてる。初老の男性で俺にまで「お坊ちゃま」と
言ってくれた唯一の人物だった。

車の後部座席は楽しかった。お嬢様と朝だけの特別な時間。
今はあの遊びが流行ってるとか、生意気な言葉使いを真似してみたり
すると運転手が言うんだ
「お嬢様、お坊ちゃま、その様な言葉使いは旦那様に怒られますよ」って。
強烈に覚えてる。

2014/07/16(水)14:10:03.95(uKhc9uYaV)


11大人になった名無しさん

AAS

NG

お嬢様は「パパには内緒よ!」と言うとこっちを向いて「約束ね」と
指切りげんまんをさせられる。
手が触れるその瞬間、心臓の鼓動が早くなる。
まだあどけない小学生時代、車に揺られて車窓を眺めふりをして
ガラスに映るお嬢様を見続けていた。

学校から帰る。正門ではなく裏門からが俺のいつもの入口。
正門は滅多な事では開かないが綺麗に整えられた石畳は小学生の俺でも判る
入ってはいけない場所だった。
離れにランドセルを置き、お嬢様を探す。

2014/07/16(水)14:11:34.14(uKhc9uYaV)


12大人になった名無しさん

AAS

NG

お嬢様は俺が帰ると同時に白いベランダ、昔でいうバルコニーに顔を出す。
「おーい!俺!トランプやろう!」「おぅ!いいよ!」
屋敷に入る。足早にお嬢様の部屋に上りドアを開ける。
女の子特有の匂いが部屋中に立ち込めていて、くらくらする。

お嬢様が言う「婆抜きね!」
俺はいつも「え〜またぁ〜」と答える。
それでもお嬢様の言う事を聞いて婆抜きをする。
最後の2枚。お嬢様は1枚…

「う〜、どっちかなぁ〜」困ったように言う。
俺は意地悪して
「こっちだよ!こっち!」とジョーカーの方を指差す。

2014/07/16(水)14:14:11.67(uKhc9uYaV)


13大人になった名無しさん

AAS

NG

「俺がいつもこっちって言う方はハズレなんだよね!」と言い
ジョーカーは取らない。そして終わる。

「あぁ〜また負けた〜」
落胆と構ってほしい感を出しつつ言う俺に
「仕方ないなぁ〜もう一回!」
そういうお嬢様の顔はまるで弟を見る目の様だった。

お嬢様とは1歳、学年で言うと1学年違う。
それだけでも女性と言うのは大人びて見えて
マセているという感覚だった。

2014/07/16(水)14:15:36.66(uKhc9uYaV)


14大人になった名無しさん

AAS

NG

この時間になると階段下からはいい匂いがしてくる。
母親やお手伝いさんが作る料理の匂いだ。
とてもまろやかで、コンソメスープの様ないい匂い。
「ご飯出来たみたいだよ!」とお嬢様は言うが
俺は離れで食べる事になっているので辞退する。
それがいつもの決まり。

「今日はいいじゃん、俺!いっしょに食べよう!」
そう言ってくれるお嬢様は有難かったが
俺は「大丈夫だよまたお腹減ってない」と嘘をつき
「じゃぁ!」と屋敷を出る。

振り返るとお嬢様がバルコニーから
「また明日ね!」と手を振る。
そんな少しの理不尽さを感じた小学生高学年。
俺は段々とお嬢様を女として意識し始めた。

2014/07/16(水)14:17:06.81(uKhc9uYaV)

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